講演・口頭発表等 - 野村 陽恵
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香料の緑膿菌のバイオフィルム形成に対する影響-Ⅱ
菱沼野花、野村陽恵、佐久間克也、一色恭徳
日本薬学会第145年会 2025年03月
開催年月日: 2025年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:福岡県福岡市
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香料のLegionella属細菌に対する影響 – Ⅱ
野村陽恵、石井有紗、山田琴音、山田眞紀、佐久間克也、 一色恭徳
日本防菌防黴学会第51年次大会 2024年09月 日本防菌防黴学会
開催年月日: 2024年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:東京
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MRSAの抗菌薬感受性に対するβ-caryophylleneの影響
野村陽恵、佐久間克也、一色恭徳
第97回日本細菌学会総会 2024年08月 第97回日本細菌学会
開催年月日: 2024年08月
会議種別:ポスター発表
開催地:札幌
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SilvialとDupicalのMRSA抗菌薬感受性に対する影響
山下 雅唯那、舟城 美潮、野村 陽恵、佐久間 克也、一色 恭徳
日本薬学会第144年会 2024年03月
開催年月日: 2024年03月
開催地:横浜
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香料のLegionella属細菌に対する影響 - Ⅰ
野村陽恵、佐久間克也、一色恭徳
日本防菌防黴学会第50年次大会 2023年08月
開催年月日: 2023年08月
開催地:大阪
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MRSAの抗菌薬感受性に対するCaryophyllene類縁体の影響
野村陽恵、山下雅唯那、板倉明日望、佐久間克也、一色恭徳
日本薬学会第143年会 2023年03月 日本薬学会
開催年月日: 2023年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:札幌
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香料の緑膿菌のバイオフィルム形成に対する影響
芦澤怜奈,野村陽恵,佐久間克也,一色恭徳
日本薬学会第142年会 日本薬学会
開催年月日: 2022年03月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
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香料と抗菌薬の Legionella pneumophila に対する抗菌作用の解析
小島菜緒,野村陽恵,作田圭亮,佐久間克也,一色恭徳,近藤誠一
第48回日本防菌防黴学会年次大会 日本防菌防黴学会
開催年月日: 2021年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
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香料の緑膿菌薬剤排出ポンプに対する影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第140年会
開催年月日: 2020年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
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香料のMRSA抗菌薬感受性増強作用の機序解析
森貴世考、森瑞生、野村陽恵、一色恭徳、作田圭亮、佐久間克也、近藤誠一
日本薬学会第140年会
開催年月日: 2020年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
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MRSA の抗菌薬感受性に及ぼす香料の作用解析
森瑞生, 森貴世考, 野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
第92回日本細菌学会総会 日本細菌学会
開催年月日: 2019年04月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:札幌
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腸炎ビブリオO11 リポ多糖に含まれる4-アミノ糖のN-アシル基の構造
一色恭徳, 後藤郁哉, 野村陽恵, 近藤誠一
第92回日本細菌学会総会 日本細菌学会
開催年月日: 2019年04月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:札幌
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天然香料又はその主要成分の抗菌薬との併用によるMRSA の抗菌薬感受性に及ぼす影響
若島果穂, 喜多村幸, 野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
第62回日本薬学会関東支部大会
開催年月日: 2018年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:東京
【目的】メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) は、多剤耐性を示すことから使用可能な薬剤は限られており、それらの更なる耐性化が懸念されている。その対策として、感受性の低下した薬剤の再利用が期待されており、本研究では、天然香料とその主要成分について、MRSA の抗菌薬感受性に及ぼす効果を評価した。
【方法】菌株は、Staphylococcus aureus ATCC 43300 (MRSA) を用いた。天然香料 4 種類と主要成分 6 種類について β-ラクタム系 (ABPC、CET、CAZ)、キノロン系 (NFLX)、アミノグリコシド系 (KM) 抗菌薬との併用による効果を checkerboard 法を用いて解析した。
【結果】全ての香料が、何れかの抗菌薬との併用により相乗効果を示した。その中で、Clove bud oil に含まれる Caryophyllene と Litsea cubeba oil に含まれる Limonene は、β-ラクタム系抗菌薬との併用でのみ高い相乗効果を示した。
【考察】全ての香料が、1 つ又は複数の抗菌薬との併用により MRSA の抗菌薬感受性に対する増強効果を示した。特に、細胞膜への作用が知られている Caryophyllene と Limonene は、β-ラクタム系抗菌薬との併用でのみ高い相乗効果を示した。従って、これらの香料は、MRSA の細胞膜に作用することで β-ラクタム系抗菌薬の主な耐性機構である PBP2’の局在を変化させたこと考えられた。また、CET や KM との併用により相乗効果を示した Thyme white oil に含まれる Thymol や Carvacrol も、細胞膜への作用が報告されている。このことから、Caryophyllene や Limonene と同様に PBP2’の局在に影響、更に KM の細胞膜透過性に影響を与えたことが考えられた。これらのことから、香料と抗菌薬との併用は、新たな MRSA 感染症治療法への応用に有用であることが示唆された。 -
香料と抗菌薬との併用による MRSA の抗菌薬感受性に及ぼす影響
石崎美香、喜多村幸、野村陽恵、一色恭徳、作田圭亮、佐久間克也、近藤誠一
第62回日本薬学会関東支部大会
開催年月日: 2018年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:東京
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ヒノキチオール銅錯体/シクロデキストリン複合体における抗菌活性評価
鈴木莉奈, 村田 勇, 井上 裕, 野村陽恵, 一色恭徳, 橋下雅司, 近藤誠一, 金本郁男
第35回シクロデキストリンシンポジウム
開催年月日: 2018年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:山梨
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腸炎ビブリオO7リポ多糖の多糖部構造解析
一色恭徳、天野瑞恵、石川恵美、松島茉莉子、野村陽恵、近藤誠一
第91回日本細菌学会総会 日本細菌学会
開催年月日: 2018年03月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:福岡
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緑膿菌の抗菌薬感受性に及ぼす香料の影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第138年会
開催年月日: 2018年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:金沢
【目的】緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) は、抗菌薬に対して自然耐性と獲得耐 性の両方を示す。このことから、感染症治療において使用可能な抗菌薬は限られ、 かつこれらの反復使用による更なる耐性化が懸念されている。そこで、緑膿菌の 薬剤耐性機構の 1 つである薬剤排出ポンプに着目し、香料の薬剤排出ポンプへの 影響を指標としたスクリーニングを行ってきた。今回は、スクリーニングにより 選択された香料について、詳細な併用効果を評価したので報告する。 【方法】評価には、P. aeruginosa JCM 6119、PAO1 と PAO1 由来変異株を用いた。 香料は、小川香料株式会社より分与された香料を用いた。併用効果は、checkerboard 法を改良した変法により評価した。
【結果・考察】807 種類の香料の中からスクリーニングにより選択された 7 香料 について、P. aeruginosa に対する抗菌薬感受性増強効果を評価した。その結果、JCM 6119 株では 3 香料が quinolone 系又は β-lactam 系抗菌薬に対する感受性増強効 果を示した。また、PAO1 株を用いて ofloxacin と cefsulodin による選択により薬 剤排出ポンプの高発現株 (PAO1-OCR、PAO1-OR) を作成した。PAO1-OCR 株は、 quinolone 系と第 3 世代 cephem 系抗菌薬に対して耐性を示し、PAO1-OR 株は quinolone 系抗菌薬に対して耐性を示す。これらの菌株に対する香料と抗菌薬の併 用による効果を評価した結果、それぞれ 1 及び 2 種類の香料が quinolone 系抗菌 薬に対する感受性増強効果を示した。PAO1 株に対しては、全ての香料が感受性増 強効果を示さなかった。香料が耐性株に対して感受性増強効果を示したことから、 P. aeruginosa の薬剤排出ポンプを阻害することで抗菌薬感受性を増強し、耐性を 克服することが明らかとなった。 -
シクロデキストリン誘導体を用いたヒノキチオール固体分散体における抗菌活性の評価
鈴木莉奈、村田 勇、井上 裕、野村陽恵、一色恭徳、近藤誠一、金本郁男
第34回シクロデキストリンシンポジウム
開催年月日: 2017年08月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:愛知
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香料の Pseudomonas aeruginosa 薬剤排出ポンプに対する影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 137 年会
開催年月日: 2017年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
【目的】日和見感染症起因菌である Pseudomonas aeruginosa は、薬剤に対して獲得耐性と自然耐性の両方を示すことから、治療に使用される薬剤は限定され、かつこれらの薬剤の反復使用は更なる耐性化を招く恐れがある。そこで、緑膿菌の薬剤耐性機構として知られている薬剤排出ポンプに着目し、香料の薬剤排出機構への影響を評価した。
【方法】評価には、P. aeruginosa JCM 6119 と PAO1 株を用いた。香料は、小川香料株式会社より分与された香料を用いた。薬剤排出ポンプへの影響は、alamarBlue® を用いて評価した。
【結果・考察】合成香料 (823 種類) について P. aeruginosa の薬剤排出ポンプに対する影響を評価した結果、10 種類の香料 (テルペン系アルコール類;3 種類、脂肪属アルコール類;5 種類、ラクトン類;2 種類) が強い薬剤排出ポンプ阻害活性を示した。これら活性を示した香料の構造を比較すると、ラクトン類では 5 員環を有する化合物では薬剤排出ポンプ阻害効果を示したが、6 員環を有する化合物では阻害効果を示さなかった。また、側鎖の長さ依存的に薬剤排出ポンプ阻害活性を示すことが明らかとなった。同様に、アルコール類では一定の長さのアルキル鎖を有する化合物が特異的に薬剤排出ポンプ阻害活性を示し、同じ長さのアルキル鎖を有する化合物であってもアルデヒド類は阻害活性を示さなかった。これらのことから、薬剤排出ポンプ阻害活性にはアルキル鎖の長さと水酸基等による極性の違いが大きく影響することが示唆された。 -
腸炎ビブリオ O7 リポ多糖の糖鎖構造
一色 恭徳,内村 嘉孝,野村 陽恵,近藤 誠一
第90回日本細菌学会総会
開催年月日: 2017年03月 - 2017年09月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:仙台
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香料と抗菌薬の抗菌作用の解析
野村陽恵, 山田敦士, 新里めぐみ,一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
第 90 回 日本細菌学会総会
開催年月日: 2017年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
香料の抗菌作用を解明するため、香料を作用させた細菌を蛍光試薬で染色し flow cytometry (FCM) 解析することで細菌の生理学的変化を解析した結果、生菌と死菌のどちらとも異なる菌体集団が観察された。本研究では、細菌の viable but non culturable (VBNC) 状態に着目した。熱処理 (50°C) によりVBNC 化した Escherichia coli JCM 5491 を比較対照として、cinnamic aldehyde (CA)、ceftazidim (CAZ)、norfloxacin (NFLX) 及び chlorhexdine (CHG) 添加時の菌体の生理学的性質を直接培養法、ATP 活性・代謝活性評価法、LIVE/DEAD BacLight™ による蛍光染色後の FCM 解析により評価した。
FCM 解析の結果、加熱処理した菌体は生菌と死菌のどちらとも異なる菌体集団を示した。それらの菌体は培養法では殆ど検出されなかったが、ATP 活性や代謝活性は維持しており、熱処理により観察された菌体集団は VBNC 状態である事が示唆された。CAZ や NFLX を作用させた菌体は、熱処理菌体と同様な生理学的性質を示したことから、VBNC 化されたと考えられた。しかし、CHG や CA を作用させた菌体は、培養法では生菌が検出されず、かつ代謝活性も失われていた。また、FCM 解析においても VBNC 状態の菌体は観察されなかった。このことから、CHG と CA は E. coli に対して殺菌的作用を示すことが明らかとなった。 -
香料のアメーバとアメーバ内 Legionella pneumophila に対する影響
野村陽恵, 高橋佐規子, 東原由樹,一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
第 60 回 日本薬学会関東支部大会
開催年月日: 2016年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
【目的】塩素系消毒剤に代わる香料の新規消毒剤への有用性を評価した。
【方法】7 種類の合成香料を使用し、Legionella pneumophila に対する抗菌活性、Acanthamoeba castellanii に対する殺アメーバ活性、アメーバ内への L. pneumophila 取込みに対する影響及びアメーバ内 L. pneumophila に対する抗菌活性を評価した。
【結果】複数の香料が、アメーバ内への L. pneumophila 取込みを抑制し、特に canthoxal と cortex aldehyde® が強い取込み抑制効果を示した。しかし、アメーバ内 L. pneumophila に対する抗菌活性を示す香料は見出せなかった。
【考察】これらの香料は、浮遊 L. pneumophila に対して抗菌活性を示す。更に、殺アメーバ活性とアメーバ内への L. pneumophila 取込みに影響を示すことから、塩素系消毒剤に代わる有用な消毒剤の候補となり得ることが示唆された。 -
ヒノキチオール個体分散体における抗菌活性の評価
鈴木莉奈, 角田結奈, 村田勇, 井上裕, 野村陽恵, 一色恭徳, 近藤誠一, 金本邦男
第33回シクロデキストリンシンポジウム
開催年月日: 2016年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:香川
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天然香料 oakmoss 及びその含有成分のアメーバ内 Legionella pneumophila に対する抗菌活性評価
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 136 年会
開催年月日: 2016年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
【目的】Legionella 属細菌は、自然又は人工環境水中において宿主アメーバ内に寄生することで、一般的に塩素系消毒剤に対して抵抗性を示す。そのため、それに代わる新規消毒剤は宿主アメーバ内菌体に対しても効果を示すことが重要である。そこで、浮遊 Legionella 属細菌に対して抗菌活性を示す天然香料 oakmoss とその含有成分のアメーバ内 L. pneumophila に対する影響を評価した。
【方法】評価には、L. pneumophila ATCC BAA-74 と宿主アメーバとして Acanthamoeba castellanii ATCC 30234 を用いた。アメーバに L. pneumophila を感染させた後、試験化合物を暴露した。培養後にアメーバを破壊し、その破壊液を BCYE-α 培地に塗布して培養することで生菌数を算出した。
【結果・考察】アメーバ内と外側の両方の L. pneumophila に対する影響を評価した結果、oakmoss、didepside 誘導体 2 化合物及び isochromen 誘導体 2 化合物は生菌数を減少させた。これらの化合物について、培養上清を除去してアメーバ内 L. pneumophila のみに対する影響を評価した結果、生菌数は減少した。また、これら評価時のアメーバ生存率を評価した結果、アメーバ内外の生菌数の減少が見られた試験化合物の暴露において、アメーバ生存率が低下していた。このことから、これら試験化合物による生菌数の減少は、アメーバの減少とアメーバ外での浮遊菌体に対する抗菌活性によることが示唆された。しかし、isochromen 誘導体 1 化合物は、アメーバ内外の生菌数は減少させたが、アメーバ生存率は低下せず、この化合物はアメーバ内での菌体増殖を抑制したものと考えられた。これらのことから、新規消毒剤の開発にはアメーバ内外の L. pneumophila とアメーバ自体への作用を有する oakmoss 含有成分が有用であることが示唆された。 -
天然香料 oakmoss とその含有成分のアメーバとアメーバ内 Legionella pneumophila に対する影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本防菌防黴学会 第 42 回年次大会
開催年月日: 2015年09月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
〔目的〕
Acanthamoeba spp. は、様々な環境水中に生息する自由生活アメーバであり、レジオネラ症の原因菌である Legionella 属細菌の自然界宿主となっている1)。一般的に塩素系消毒剤は、アメーバ内への透過性が低いことからアメーバ内菌体に対する効果が低く2)、かつアメーバ内から遊出された菌体は抵抗性を獲得していることが知られている3)。そこで、レジオネラ症対策のための消毒剤への応用を目的とし、L. pneumophila に対して高い抗菌活性を示した天然香料 oakmoss とその含有成分4)について、代表的な自然界宿主である A. castellanii に対する影響とアメーバ内への L. pneumophila 取込みに対する影響を評価した。
〔方法〕
試験物質として、oakmoss とその含有成分 (phenol、didepside 及び isochromen 誘導体)、chlorhexidine gluconate (CHG) 及び ampicillin (ABPC) を用いた。試験菌株は、Legionella pneumophila JCM7571 を用い、アメーバは Acanthamoeba castellanii ATCC 30234 を用いた。殺アメーバ活性は、alamarBlue 法を用いて評価し、50% 殺アメーバ濃度 (IC50) を算出した。アメーバ内への L. pneumophila 取込みに対する影響は、a) 予め L. pneumophila に試験物質を作用させた場合、b) アメーバと L. pneumophila 接触時に試験物質を作用させた場合、c) 予め A. castellanii に試験物質を作用させた場合の 3 つの条件下で評価した。A. castellanii に L. pneumophila を一定時間接触させた後、0.04% Triton X100 を用いて破壊したアメーバ破壊液を BCYE-α 培地に塗布し、培養後のコロニー数を計測することでアメーバ内に取込まれた菌体数として評価した。
〔結果〕
A. castellanii に対する殺アメーバ活性を評価した結果、oakmoss、その含有成分である phenol 誘導体、didepside 誘導体及び isochromen 誘導体が比較的低濃度で殺アメーバ活性を示し、特に didepside 誘導体と isochromen 誘導体の活性は CHG の活性と同程度だった。また、A. castellanii 内への L. pneumophila の取込みに対する影響を評価した結果、a) ABPC を存在下で L. pneumophila を前培養した場合、A. castellanii 内への L. pneumophila の取込みを抑制した。β-lactam 系抗生物質は、低濃度では細菌の付着や取込みに関係する細胞外膜タンパク質や LPS 構造に何らかの変化を誘導することで取込みを抑制すると考えられている5)。Oakmoss 又は didepside 誘導体存在下で L. pneumophila を前培養した結果、A. castellanii 内への L. pneumophila の取込みを抑制し、その抑制効果は ABPCの効果と同程度だった。しかし、b) 接触時に試験物質を作用させた場合と c) 予めアメーバに試験物質を作用させた場合においては、アメーバ内への L. pneumophila 取込みに影響を示さなかった。これらのことから、oakmoss とその含有成分は Legionella 属細菌に対して抗菌活性を示すだけでなく、A. castellanii に対しても有用な消毒剤の候補となり得ることが示唆された。
〔文献〕
1) Molmeret M. et al., Microbes Infect., 6; 129-139 (2004)
2) Garcia M.T. et al., Environ. Microbiol., 9; 1267-1277 (2007)
3) Barker J. et al., Antimicrob. Agent Chemother., 39; 2694-2688 (1995)
4) Nomura H. et al., Biol. Pharm. Bull., 35; 1114-1117 (2012)
5) Lück P.C. et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42; 2870-2876 (1998) -
天然香料 oakmoss 及びその含有成分のアメーバ及びアメーバ内 Legionella pneumophila に対する影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 134 年会 日本薬学会
開催年月日: 2014年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:熊本県
【目的】Legionella 属細菌は、自然界宿主であるアメーバに寄生しており、塩素等 の既存消毒剤に対して抵抗性を示す。このことから、レジオネラ症対策を目的と した消毒剤は、Legionella 属細菌の消毒だけではなく、アメーバに対しても作用を 有することが重要である。そこで、Legionella 属細菌に対して抗菌活性を示した天 然香料 oakmoss 及びその含有成分のアメーバ及びアメーバ内 L. pneumophila に 対する影響を評価した。
【方法】Acanthamoeba castellanii ATCC30234 に試験化合物を添加して培養後、 alamarBlue 法により amoebicidal activity (IC50) を評価した。また、A. castellanii に L. pneumophila を感染させた後、試験化合物を添加することでアメーバ内 L. pneumophila に対する抗菌活性を評価した。コントロールとして、chlorhexidine gluconate (CHG) 及び sodium hypochlorite (SH) を用いた。 【結果・考察】Oakmoss、単離成分の didepside 誘導体 1 化合物及び isochromen 誘 導体 2 化合物が amoebicidal activity を示した。また、これらの活性は、CHG 及 び SH の活性と同等であった。他の誘導体と比較して、これらの化合物の親水性 が高いことが amoebicidal activity に関係するものと考えられた。また、アメーバ内 L. pneumophila に対する抗菌活性試験では、oakmoss を添加した場合に L. pneumophila の生存数が減少した。他の amoebicidal activity を示した化合物は、抗 菌活性を示さなかった。このことから、oakmoss のアメーバ内 L. pneumophila に 対する強い抗菌活性は、oakmoss に含まれる複数の成分が複合的に作用している ものと考えられた。これらのことから、レジオネラ症対策を目的とした消毒剤の 開発に oakmoss が有用であることが示唆された。 -
抗菌物質の抗菌作用解析に関する研究
新里めぐみ, 野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 134 年会
開催年月日: 2014年03月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
目的】Legionella 属細菌による水環境の汚染対策として、塩素系消毒剤が使用さ れているが、塩素ガスの発生等の問題から、それに代わる新規消毒剤の開発が重 要である。しかし、Legionella 属細菌は培養不能状態(VBNC)になることから、 従来法では解析が困難である。そこで、Escherichia coli を用いて抗菌物質の影響 を解析することで、Legionella 属細菌への作用解析に繋げることを目的とした。 【方法】E.coli ATCC25922 に試験化合物を添加して培養後、time-kill assay、 BacLight 試薬(SYTO9 及び PI)を用いた蛍光顕微鏡及び flow cytometory(FACS) により抗菌作用を解析した。試験化合物として、ceftazidime(CAZ)、norfloxacin (NFLX)、chlorhexdine gluconate(CHG)及び天然香料 cinnamic aldehyde(CA) を用いた。
【結果・考察】FACS 解析より、CAZ 及び CHG は、経時的に死菌領域に菌体が 検出され、その結果は time-kill assay の結果と一致した。また、蛍光顕微鏡観察の 結果、CAZ 添加により菌体の伸長が観察され、CHG は短時間曝露では赤色を呈 した菌体が増加し、その後経時的に蛍光強度が低下した。NFLX 添加は、FACS 解 析において生菌及び死菌のどちらの領域とも一致しない菌体集団が検出された。 蛍光顕微鏡観察では、添加 3 時間後から菌体の伸長が観察され、また赤色及び緑 色を呈する菌体が混在していた。Time-kill assay では、48 時間後には生菌数は検 出限界以下になることから、FACS 解析で検出された領域は VBNC 状態の菌体で あることが示唆された。さらに、CA 添加では、FACS 及び蛍光顕微鏡観察の結果 と time-kill assay の結果はよい一致を示し、CHG の結果と類似していた。これら の方法を併用することで、VBNC 状態の菌体も検出する事ができると考えられた。 -
天然香料 oakmoss 成分の Legionella pneumophila biofilm に及ぼす影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 133 年会 日本薬学会
開催年月日: 2013年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:神奈川県
【目 的 】 近 年 、 環 境 及 び 人 工 水 の Legionel la 属 細 菌 に よ る 汚 染 と 、 そ れ に 伴 う レ ジオネラ症の発生が問題となっている。Legionela属細菌は、自然環境中で bioflm を形成することから、消毒剤には bioflm 形成の抑制及び biofilm 透過性が求めら れる。そこで、L.pneumophilaに対して抗菌活性を示した天然香料 oakmos及び その含有成分の bioflm 内 L.pneumophilaに対する抗菌活性及び twitching m otility に 対 す る 影 響 を 評 価 し た 。
【 方 法 】 L . p n e u m o p h ila J C M 7 5 7 1 を 9 6 穴 プ レ ー ト で 培 養 し 、 b io f ilm を 形 成 さ せ た後、抗菌成分を作用させることで、bioflm 内 L.pneumophilaに対する抗菌活性 を 評 価 し た 。 ま た 、 subM IC 濃 度 の 抗 菌 成 分 を 含 む 寒 天 培 地 に 菌 液 を ス ポ ッ ト し て 培 養 す る こ と で 、 tw itching m otility - の 影 響 を 評 価 し た 。
【結果 ・考察】oakmosは、biofilm 内 L.pneumophilaに対して抗菌活性を示さな かった。Didepside誘導体 4化合物中 3化合物は、抗菌活性 (MBCs;32.0-64.0 pg/m L) を 示 し た が 、 1 化 合 物 は 抗 菌 活 性 を 示 さ な か っ た 。 ま た 、 isochrom en 誘 導 体 4化合物中 1化合物は、抗菌活性 (MBC;42.7い′g/mL)を示したが、他の 3化 合物は抗菌活性を示さなかった。抗菌活性を示さなかった化合物は、構造的に疎 水性が高いことから、bioflm に対する透過性が低いものと考えられる。 また、 biofilm 形成を抑制する phenol誘導体 2化合物は、濃度依存的に twitching motilityを抑制した。これらの結果より、bioflm 内 L.pneumophilaに対して高い 抗菌活性を示した didepside誘導体及び isochromen誘導体と、twitchingmotility 抑制効果を示した phenol誘導体を併用することで、L.pneumophilaに対する消毒 剤の応用-の有用性が示唆された。 -
Legionella pneumophilaのバイオフィルム形成に対する天然香料oakmoss成分の影響
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 132 年会 日本薬学会
開催年月日: 2012年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:北海道
【目的】近年、温泉をはじめとした公共設備等の Legionella pneumophila による汚 染と、それに伴うレジオネラ症の発生が問題となっている。L. pneumophila は自然 界においてバイオフィルムを形成し、消毒薬等の外的ストレスから自身を保護し ている。そこで、これまでに L. pneumophila に対して抗菌活性を示すことを報告 してきた天然香料 oakmoss 及びその単離成分の、L. pneumophila のバイオフィル ム形成に対する影響を評価した。
【方法】Oakmoss は、Absolute Mousse de Chene Selecta 及び Oakmoss Absolute AT 086 の 2 種類を用いた。バイオフィルム形成に対する影響は、subMIC 濃度の oakmoss 及びその単離成分を L. pneumophila に作用させ、crystal violet 染色により バイオフィルム形成の有無を評価した。試験菌として、L. pneumophila JCM7571 (Philadelphia 1)を用いた。
【結果・考察】Oakmoss 2 種類及びその単離成分について、L. pneumophila のバイ オフィルム形成に対する影響を評価した。2 種類の oakmoss 及び isochromen 誘 導体はバイオフィルム形成に影響を示さなかった。
これに対して、didepside 誘導体 2 成分は、濃度 依存的にバイオフィルム形成を抑制した。バイオ フィルム形成抑制作用の有無と didepside 誘導体 の構造を比較すると、両成分とも 3 位のフェノー ル性水酸基がメトキシ基に置換されていることか ら、バイオフィルム形成抑制作用には 3 位のメト キシ基の存在が関係することが示唆された。 -
Antibacterial compounds isolated from a natural fragrance ingredient “oakmoss” against Legionella pneumophila 国際会議
Harue Nomura, Yasunori Isshiki, Keisuke Sakuda, Katsuya Sakuma, Seiichi Kondo
International Union of Microbiological Societies Federation of Microbiological Societies of Japan
開催年月日: 2011年09月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:Sapporo (Japan)
Oakmoss is a natural fragrance ingredient exhibiting a highly specific, potent antibacterial activity against Legionella pneumophila, a causative agent of severe water-borne pneumonia. In the current study, a compositional analysis of oakmoss was performed, and the antibacterial activities of compounds isolated from oakmoss against L. pneumophila were investigated. Eighteen different compounds were purified and identified as known derivatives of phenol, isochromen and didepside. Two compounds, didepside and isochromen derivatives, were identified as novel, though minor, components.
Antibacterial analysis revealed that these 20 compounds had MICs between 0.8 and 213.3 microg/ml and MBCs between 2.0 and 256.0 microg/ml against clinical and environmental isolates of L. pneumophila strains. In contrast, these compounds did not show any potent antibacterial activity against Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, Bacillus subtilis or Staphylococcus aureus. Since the all compounds isolated from oakmoss showed characteristic antibacterial activities against L. pneumophila strains, the antibacterial activity of oakmoss against L. pneumophila may be attributed to the simultaneous action of these various antibacterial components. Furthermore, the results of time-kill assay revealed that oakmoss exhibit com-positive antibacterial activity against L. penumophila. The colony forming unit (CFU) of the microbe were reduced to 10-2 of the original CFU after 1 h co-incubation and then the CFU was decreased in number, but remained above detection level even after 48 h co-incubation. In contrast, both novel compounds showed bactericidal activity against L. penumophila. Additionally, we examined the effect of oakmoss on the cell morphology and membrane permeability using a BacLight Bacterial Viability kit. Oakmoss-treated cells were partly elongated and showed yellow fluorescence. These results indicated that oakmoss cause to cell membrane structure and also cell division. -
天然香料 oakmoss 由来の新規 isochromen 及び didepside 誘導体の Legionella pneumophila に対する抗菌作用の解析
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭亮, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会第 131 年会 日本薬学会
開催年月日: 2011年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:静岡県
【目的】近年、人工利用水設備からの Legionella 属細菌の検出と、それに伴う易 感染宿主に対する集団感染等が問題となっている。本研究室では、天然香料であ る oakmoss 及び本香料に含まれる phenol、didepside 及び isochromen 誘導体が Legionella pneumophila に対して高い抗菌活性を示すことを既に報告した。今回、 新たに単離した成分の構造と既に報告した新規 didepside 誘導体の物理化学的性 状及び L. pneumophila に対する抗菌作用を評価したので報告する。 【方法】香料は、OakmossAbsoluteAT086 を使用した。MIC、MBC 及び Time-kill assay は、本研究室で開発した CLSI 基準法の変法に従って行った。また、試験菌 として、L. pneumophila JCM7571 及び JBCC005(環境分離株)を用いた。 【結果・考察】Oakmoss の含有成分について詳細に解析した結果、新たに新規成 分を見出した。EI-MS 及び 1H、13C-NMR 解析の結果、分子量 468 Da の新規 isochromen 誘導体であることが明らかとなった。単離した成分について L. penumophila (JCM7571 及び JBCC005) に対する抗菌活性を評価した結果、それぞ れ MIC は 8.0 及び 3.3 μg/mL、MBC は 20.0 及び 16.0 μg/mL を示し、共に強い 活性を示した。さらに、今回単離した新規 isochromen 誘導体と既に報告した新規 didepside 誘導体の抗菌作用を、L. pneumophila JCM7571 を用いた Time-kill assay にて評価した。その結果、didepside 誘導体は 2×MIC では殺菌的に作用するのに 対して、1×MIC では緩やかな殺菌作用を示した。また、isochromen 誘導体は 1 ×MIC 及び 2×MIC 共に緩やかな殺菌作用を示し、48 時間後には生菌数は検出 限界を示した。このことから、これら成分は L. pneumophila に対して殺菌的に作 用すると考えられた。
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水系環境分離大腸菌の薬剤耐性
柳澤唯,一色恭徳,野村陽恵,近藤誠一
日本薬学会第131年会 日本薬学会
開催年月日: 2011年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:静岡
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香料の細菌に対する抗菌活性発現機構の解析
松本明日來,田中享,野村陽恵,一色恭徳,佐久間克也, 作田圭亮,近藤誠一
日本薬学会第131年会 日本薬学会
開催年月日: 2011年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:静岡
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環境水中に存在する抗菌物質の調査
山本碧,一色恭徳,野村陽恵,近藤誠一
日本薬学会第131年会 日本薬学会
開催年月日: 2011年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:静岡
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天然香料 oakmoss に由来する抗菌物質の解析
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭介, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会 第130年会(岡山)
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
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香料成分の蒸発・拡散挙動と気相における抗菌力(2)
作田圭亮,佐久間克也,一色恭徳,野村陽恵,近藤誠一
日本薬学会第130年会 日本薬学会
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:岡山
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する香料と抗生物質の併用効果
若林真弘,野村陽恵,一色恭徳,佐久間克也,作田圭亮,近藤誠一
日本薬学会第130年会 日本薬学会
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:岡山
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香料成分の蒸発・拡散挙動と気相における抗菌力 国際会議
作田圭量, 佐久間克也, 一色恭徳, 野村陽恵, 近藤誠一
第53回日本薬学会関東支部会
開催年月日: 2009年10月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:埼玉
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Abs. oakmoss に含まれる抗レジオネラ活性成分
野村陽恵, 一色恭徳, 作田圭介, 佐久間克也, 近藤誠一
日本薬学会 第129年会(京都)
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
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Birch tar oil に含まれる抗菌活性成分の解析
菅原詩織,野村陽恵,一色恭徳,佐久間克也,作田圭亮, 近藤誠一
日本薬学会第129年会 日本薬学会
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:京都
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真菌 Stephanonectria sp. FKI-2703 株が生産する抗結核活性物質
野村 陽恵,小山 信裕,児島 成宣,野中 健一,増間 碌郎,大村 智, 供田 洋
日本薬学会第129年会
開催年月日: 2009年03月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:京都
【目的】結核は世界的観点からも依然感染症の中で最もその死亡者が多く年間 200 万人以上と言われ、新しい観点からの医薬品の開発が強く求められている。 本研究では、結核菌に特異的に作用する薬剤の開拓を目指し、Mycobacterium smegmatis の生育を選択的に阻害する物質を微生物ソースより検索したところ、真 菌 Stephanonectria sp. FKI-2703 の培養液中より新規物質 FKI-2703 A および B を発 見した。本年会では、その培養、単離精製、構造決定および抗結核活性について報告 する。
【方法・結果】単離精製:培養液(1 L)より、溶媒抽出・分配および ODS カラ ムを用いて塩基性条件下で HPLC による精製を行い、本活性物質として FKI-2703A(49.6mg) および B(66.7mg) を単離した。
構造決定:FAB-MS より、成分 A と B の分子量はそれぞれ 1780 と 1794 と決 定した。また、IR スペクトル解析より、水酸基あるいはアミド基およびカルボニ ル基の存在が示唆された。各種 NMR 解析から、その構造中にα-aminoisobutyric acid などの修飾アミノ酸をいくつか含む新規 peptaibol 類であることが明らかと なった。最終的に、MS/MS 解析、アミノ酸分析および酵素・化学処理により断片 化した化合物の分析から、その構造を推定した。
生物活性:M. smegmatis に対する MIC 値を測定したころ、成分 A と B の値は それぞれ 12.5 および 3.13 μg/ml と算出され、これら化合物は非常に強い抗結核 活性を示した。 -
Legionella pneumophila に対する香料の抗菌作用の解析
佐藤幸裕,野村陽 恵,一色恭徳,田中享,佐久間克也,作田圭亮, 近藤誠一
日本薬学会第129年会 日本薬学会
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:京都
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天然香料 Birch tar oil に含まれる抗菌物質の単離・精製
菅原詩織,野村陽恵,一色恭徳,佐久間克也,作田圭亮, 近藤誠一
第81回日本細菌学会総会 日本細菌学会
開催年月日: 2008年03月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:京都
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微生物由来の細胞周期阻害剤の探索
野村陽恵,小山信裕,松田大介,増間碌郎,供田洋,大村智
日本薬学会 第127年会(富山)
開催年月日: 2007年03月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表