所属 |
理学部 数学科 |
学外略歴 【 表示 / 非表示 】
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城西大学 理学部 助教
2024年04月 - 現在
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学習院大学 理学部 数学科 日本学術振興会 特別研究員PD
2021年04月 - 2024年03月
国名:日本国
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早稲田大学 基幹理工学部数学科 講師
2018年04月 - 2021年03月
国名:日本国
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早稲田大学 基幹理工学研究科 日本学術振興会特別研究員PD
2017年04月 - 2018年03月
論文 【 表示 / 非表示 】
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Currents on cusped hyperbolic surfaces and denseness property 査読あり
佐々木東容
Groups, Geometry, and Dynamics 16 ( 3 ) 1077 - 1117 2022年10月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
DOI: 10.4171/ggd/688
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Subset currents on surfaces 査読あり
Dounnu Sasaki
Memoirs of the American Mathematical Society 278 ( 1368 ) 2022年07月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:American Mathematical Society (AMS)
<p>Subset currents on hyperbolic groups were introduced by Kapovich and Nagnibeda as a generalization of geodesic currents on hyperbolic groups, which were introduced by Bonahon and have been successfully studied in the case of the fundamental group of a compact hyperbolic surface . Kapovich and Nagnibeda particularly studied subset currents on free groups. In this article, we develop the theory of subset currents on , which we call subset currents on . We prove that the space of subset currents on is a measure-theoretic completion of the set of conjugacy classes of non-trivial finitely generated subgroups of , each of which geometrically corresponds to a convex core of a covering space of . This result was proved by Kapovich-Nagnibeda in the case of free groups, and is also a generalization of Bonahon’s result on geodesic currents on hyperbolic groups. We will also generalize several other results of them. Especially, we extend the (geometric) intersection number of two closed geodesics on to the intersection number of two convex cores on and, in addition, to a continuous -bilinear functional on .</p>
DOI: 10.1090/memo/1368
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An intersection functional on the space of subset currents on a free group 査読あり
Dounnu Sasaki
GEOMETRIAE DEDICATA 174 ( 1 ) 311 - 338 2015年02月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:SPRINGER
Kapovich and Nagnibeda introduced the space of subset currents on a free group of rank , which can be thought of as a measure-theoretic completion of the set of all conjugacy classes of finitely generated subgroups of . We define a product of two finitely generated subgroups and of by the sum of the reduced rank over all double cosets , and extend the product to a continuous symmetric -bilinear functional . We also give an answer to a question presented by Kapovich and Nagnibeda. The definition of originates in the Strengthened Hanna Neumann Conjecture, which has been proven independently by Friedman and Mineyev, and can be stated as follows: for any finitely generated subgroups and of the inequality holds. As a corollary to our theorem, this inequality is generalized to the inequality for subset currents.
書籍等出版物 【 表示 / 非表示 】
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数学セミナー 2020年4月号(証明が書けない/→まずは証明のお作法を身につけよう)
( 範囲: 証明が書けない/→まずは証明のお作法を身につけよう)
日本評論社 2020年03月
科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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双曲曲面上のカレントと非ココンパクト作用
研究課題/領域番号:21J01271 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
佐々木 東容
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
境界付きのコンパクト双曲曲面Σをまず用意し,その境界を一点の穴になるまで潰して得られるカスプ付き双曲曲面Σ'を考える.このとき,それぞれの普遍被覆の無限遠境界の間にCannon-Thurston写像ρが誘導される.当該年度ではこの写像ρをΣの測地カレント空間GC(Σ)からΣ'の測地カレント空間GC(Σ')にρ*拡張したときの性質を調べた.
これまでの結果からそれぞれの測地カレント空間はそれぞれの重み付き閉測地線の完備化空間であることが分かっており,ρ*は閉測地線を自然に閉測地線に写す.そこで,ρ*が閉測地線の交点数を保つかについて調べた.結果として,ρ*は次の意味で交点数に保つことが分かった.GC(Σ)の二つのカレントα,βに対して,i(α,β)=i(ρ*(α),ρ*(β))が成り立つ(ここで,iは交点数を測地カレントに拡張したものである).この結果は,α,βが単なる閉測地線であれば容易に成り立つことが分かる等式であるが,完備化であるカレントに関しては非自明な等式である.
本研究においては,カスプ付き双曲曲面において測地カレント空間が重み付き閉測地線の完備化であるという結果が根底のところで大きな役割を果たしている.この結果については論文を投稿中であり,査読を受けていたが,当該年度中2022年2月にジャーナルGroups, Geometry, and Dynamicsにて受理された.前提としていた結果が一定の評価を得られたことは今後の研究成果を広めていく上でも重要であると言える. -
カスプ付き双曲曲面上のカレントの研究
研究課題/領域番号:19K14539 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
佐々木 東容
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2080000円 ( 直接経費:1600000円 、 間接経費:480000円 )
双曲曲面S上の測地カレント空間GC(S)はSがコンパクトであるとき,S上の重み付き閉測地線の集合の完備化と見なされる.これは重み付き閉測地線に対応する有理的測地カレントがGC(S)の稠密部分集合となるという結果から従う見方である.有理数を完備化し実数にすることで扱いがよくなるのと同様に,測地カレント空間は閉測地線全体を扱うような研究において重要な役割を果たす空間である.本研究者は双曲曲面Sが面積有限カスプ付き双曲曲面である場合にも稠密性定理が成り立つことを示した.さらに,測地カレントの一般化であるサブセットカレントに関してもカスプ付き双曲曲面の場合に同様の稠密性定理が成り立つことを示した.
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双曲群上のサブセットカレントの研究
研究課題/領域番号:16J02814 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
佐々木 東容
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:1700000円 ( 直接経費:1700000円 )
サブセットカレントはThurstonの導入した測度付き測地線層(measured geodesic lamination)の概念の一般化である測地カレントのさらなる一般化である.幾何学的対象を測度という解析対象と関連付けることによって,曲面上の幾何学的対象の不変量を解析的視点から分析することが可能となる.サブセットカレントは測度付き測地線層に比べて扱う対象が格段に多くなっている.
本研究者は今年度サブセットカレントの研究をコンパクト双曲得曲面から非コンパクトな双曲曲面にまで拡大することを目指した.目標であった,稠密性定理および線形連続拡張に関する明確な結果は得られなかったものの,コンパクト双曲曲面の場合の結果を一部拡張することには成功した.
まず,非コンパクトな双曲曲面についてもコンパクトな場合と同様にサブセットカレント空間は定義でき,位相空間の観点から見てほぼ同様の性質を持つことがわかった.また,曲面の有限生成部分群からサブセットカレントを定義することが可能であるという点ではコンパクトな場合と全く同様であった,しかしながら,決定的に異なる点として,普遍被覆の無限遠に放物型極限点が存在することが挙げられる.放物型極限点を2個以上の有限個用意することによって,サブセットカレントが定義できることがわかった.簡単な例としては,曲面上のカスプを両端にもつ無限測地線がサブセットカレントを対応付ける(厳密には測地カレント).また,稠密性定理の観点からも考察が必要であると考えている.
線形連続拡張については現状ではいくつかの点で否定的見解が得られている.連続拡張をする上での障害が見つかっており,不変量の捉え方を抜本的に見直すことが求められる.特に交点数については無限に発散することを解消する手段が必要であるとみている.
以上のように,限定的ではあるが,着実な成果を挙げることができた.