Presentations -
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薬剤師が在宅業務で行う高齢者総合的機能評価(CGA)ツール作成のための予備的文献調査
大西祐輔,荻原康平,堀井徳光,武藤香絵,井上直子,大嶋繁
日本社会薬学会第37年会 日本社会薬学会
Event date: 2018.10
Language:Japanese Presentation type:Poster presentation
Venue:日本大学薬学部(千葉県船橋市)
【目的】地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で医療、介護等の支援を包括的かつ継続的に受け、できる限り自立した生活を営めるよう地域で支える仕組みであり、実現のためには、多職種が患者情報を共有し、患者の抱える問題を効率よく解決する必要がある。多職種で患者状態の評価や問題点の抽出を行う際に、共通した評価尺度を用いることが推奨されている。高齢者総合的機能評価(CGA:Comprehensive Geriatric Assessment)を用いて認知機能や日常生活活動(ADL)を評価することで、服薬管理能力や薬物有害事象のリスクといった薬学的管理上の問題を把握することにつながると言われている。CGAは単一のものではなく、多くの項目と評価ツールがある。そこで、我々は今後、薬剤師が在宅でCGAを行うことを念頭に置き、多職種が現在使用しているCGAを調査し、共通して必要とされている項目と、その評価ツールを明らかにするために文献調査を行った。
【方法】文献検索には医学中央雑誌web版を用いた。過去5年間のCGAに関する総説・解説、原著論文から、CGAとは関係のないもの、外国人のみを対象としたもの、症例報告のみのもの、使用したツールやデータの記載がないものを除外した。目的に適合した文献から、研究目的、対象患者、評価者、使用した評価ツール、結果をまとめ、さらに評価ツールに関しては、内容および入手方法について調査した。
【結果】検索語から503件の文献が抽出された。除外基準に該当するものを除き、46件の論文が得られた。半数以上の論文で調査されていた項目は、基本的ADL、認知機能、うつ尺度であった。使用された評価ツールを集計したところ、基本的ADLではBarthel Index、手段的ADLでは老研式活動能力指標、認知機能ではMMES、うつ尺度ではGDS15、身体機能ではTUG、QOLではVASが最も多く使用されていた。
【考察】多職種が共通して必要とする項目として抽出された、基本的ADL、認知機能、うつ尺度は、今後、薬剤師がCGAを行う際に必要な共通項目であると思われた。また、最も多く使用されていた評価ツールは、簡便かつ汎用性の高いツールであった。今回の文献調査の結果から、薬剤師が実施するCGAツール作成に有用な情報を得ることができた。 -
城西大学薬局における在宅業務の業務量と収益の現状
大橋悠,堀井徳光,武藤香絵,井上直子,大嶋繁
埼玉医療薬学懇話会 第38回学術研究講演会 埼玉医療薬学懇話会
Event date: 2018.07
Language:Japanese Presentation type:Oral presentation (general)
Venue:日本薬科大学
【目的】内閣府から公表された平成29年度版高齢社会白書には、我が国における2025年の75歳以上人口は総人口の18.1%になると予測されている。厚生労働省は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられることを可能にするために、医療・介護・福祉の連携による地域包括ケアシステムの構築と、このシステムの下での在宅医療の推進を課題とし、薬局に在宅医療への参画を求めている。薬剤師による在宅業務推進のため、1994年から在宅訪問薬剤管理指導料、2000年から居宅療養管理指導料が導入され、数度にわたり見直しが行われてきた。しかし、薬剤師の在宅業務への参画は人手が足りない、採算が合わないという理由であまり進んでいない。そこで、現在の制度の下での、薬局の在宅業務の業務量と収益について、城西大学薬局毛呂本郷店の業務量および調剤報酬による収益を調査し、現状および課題を明らかにするとともに、検討を行った。
【方法】業務量として、在宅業務にかかる時間は実測し、在宅業務以外の薬局窓口業務に関しては、1日の開局時間と薬剤師および事務員の業務体制から算出した。収益として、薬局のレセプトデータより、薬局窓口業務については1ヶ月の合計収益を入手し、在宅業務については、調剤技術料と薬学管理料を抽出し、在宅患者の処方箋ごとに収益を算出した。
【結果】1カ月の在宅業務にかかった時間は168時間30分であった。業務内容を、「準備」、「訪問」、「後処理」、「調剤」に分けると、「訪問」と「調剤」がそれぞれ45%で、両者で90%を占めていた。1訪問当たりでは2時間13分であった。在宅業務以外の薬局窓口業務は、587時間であった。1ヶ月の収益は、在宅業務は約40万円、薬局窓口業務は約130万円であった。業務1時間当たりの収益は、在宅業務は薬剤師1人当たり2300円、薬局窓口業務は薬剤師および事務員1人当たり2200円であった。
【考察】城西大学薬局の薬局窓口業務と在宅業務において、従事者1人当たり、時間当たりの収益にあまり差がみられなかったことから、経営面から在宅業務に取り組む価値はあると思われた。訪問先を5㎞圏内に限定するなどの効率化により、収益をさらに上げることができるが、在宅に携わる薬局が少ない現状では、収益を考慮して5㎞圏内の患者に絞ることは難しい。在宅医療を推進しながら薬局の収益を確保するためには、同じ地域の薬局で協力し合い、地域単位で患者を支える必要があると思われた。また、城西大学薬局の1日平均処方箋件数から、実質の処方箋対応時間は1日4時間28分と算出された。調剤空き時間を在宅の準備時間に当てることにより、薬局全体で1人当たりの1時間の収益を上げることができると考える。 -
血液脳関門機能低下マウスにおけるタイトジャンクション関連タンパク質に及ぼす葛根湯投与の影響
大原厚祐, 森 勇人, 倉持 圭, 長山佳世, 蛭川紗希, 秋元勇人, 冲田光良, 根岸彰生, 井上直子, 大嶋 繁, 沼尻幸彦, 大島新司, 秋元雅之, 本間精一, 小林大介
日本薬学会第137年会 日本薬学会
Event date: 2017.03
Language:Japanese Presentation type:Poster presentation
Venue:仙台
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葛根湯と一般用かぜ薬の証に基づく効果の比較
弥吉優希, 冲田光良, 大原厚佑, 根岸彰生, 秋元勇人, 井上直子, 沼尻幸彦, 大嶋 繁, 大野泰規, 大島新司, 小林大介
日本薬学会第137年会 日本薬学会
Event date: 2017.03
Language:English Presentation type:Poster presentation
Venue:仙台
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薬物治療アドバイザーとしての薬剤師の役割に対する患者と薬剤師の認識の違い: 社会科学的理論に基づく解析
大島新司, 妹尾和彦, 根岸彰生, 秋元勇人, 大原厚祐, 井上直子, 大嶋 繁, 久津間 信明, 從二和彦, 小林大介
日本薬学会第137年会
Event date: 2017.03
Language:Japanese Presentation type:Poster presentation
Venue:仙台
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「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」を使用した在宅患者の処方見直しと処方変更後の患者アセスメントに関する研究
井上直子, 原彩伽, 阿部卓巳, 根岸彰生, 大島新司, 大嶋 繁, 齋木 実, 小川越史, 小林大介
埼玉医療薬学懇話会第36回学術研究講演会 埼玉医療薬学懇話会
Event date: 2016.07
Language:Japanese Presentation type:Oral presentation (general)
Venue:さいたま市文化センター